良好な親子関係を築いていくために大切なこととは何か…。それは、第一に子どもの話を聞くことです。
一言に「聞く」と言ってもただ聞けば良いというわけではありません。話の聞き方が重要になってきます。
子どもの話を聞く時に親はどのような姿勢であるべきなのでしょうか。また、子どもの話に無関心な態度でいると、どのような影響があるのでしょうか。
良い話の聞き方とは
まず大事なことは、子どもの話をきちんと最後まで聞くこと、そして会話を先取りしないということです。
次に、相槌と気持ちの代弁です。子どもが話すことの言葉と言葉の間に相槌を打ち、「それは良かったね」「それは悲しかったね」などと簡潔に代弁してあげると子どもは安心し、親子の信頼関係へと繋がります。
会話の内容よりも「親子のやり取り」が大切なのです。
年齢に合った子どもの特性を理解する
幼児期から小学校低学年の頃は自己中心性が抜けていないため、自分の視点からの内容が多いのが特徴です。
【親から褒められたい】
【親からの承認を得たい】
そのような欲求が強いため、敢えて叱られるようなことは言いません。
中学年から高学年になってくるとあまり話したがらない傾向にあり、大人側から根掘り葉掘り質問するとますます話さなくなってしまうこともあります。ですが、それは心を閉ざしているわけではなく、成長過程でみられることなので心配することはありません。
この時期は子どもが何気なく発した言葉から具体的に話を広げていくといったような、聞き方にもテクニックが必要になってきます。
例えば、子どもが友達と遊ぶ約束をしてきたら
「今日は◯◯ちゃんと遊ぶのね。◯◯ちゃんは元気?」
「◯◯ちゃんとは席が近いのかな?」
などと友達に対する質問をすると、子どもは自分のことを聞かれたわけではないので自然に話すことが多くなったりします。
直接的なことを質問するよりも、周りの環境や人間関係など間接的な質問を通して子ども自身のことを聞いていくのが効果的でしょう。
話を聞く時の注意点
- 子どもの発言を否定しない
- 子どもの話をすり替えない
- ながら聞きをしない
子どもの発言を否定することによって、自尊心が傷つけられ、何も話してくれなくなってしまう可能性があります。まずは、子どもの話を肯定的に受け入れることが大事なことなのです。
更に、子どもが一生懸命にしている話をすり替えることによって親のペースになってしまい、子どもは最後まで話す気力を奪われてしまいます。それと同時に「伝えたい」「聞いてもらいたい」という気持ちがなくなり、話すことを諦めてしまいます。
子どもの話を肯定的に最後までちゃんと聞いてあげることが大切です。
子どもの話を聞く大切さと無関心による影響
今はお仕事されているお母さんも多くなり、疲れて帰ってホッとしたのも束の間、休む暇もなく家事に追われる日々…
そんな状況の中、子どもの話を聞く時間をつくるのは正直言って大変な時もありますよね。
私自身も仕事をしながらの子育てでしたが、振り返ってみると、子どもの話をちゃんと聞けていなかったこともただありました。
わが家は一人っ子で、子どもが小さい頃から父親が仕事で殆んど家にいないといういわゆる「ワンオペ育児」の状況だったので、子どもからしたら家での遊び相手や話し相手は母親である私しかいません。
そのような生活の中で、当時の私は気持ちに余裕がありませんでした。子どもがその日の出来事を一生懸命に話してくれた時も、適当な相槌だったり「今ちょっと忙しいからあとでね」「ママは疲れてるから明日ゆっくり聞くね」なんて言いながら、そのままスルー状態なんてこともしばしば。
わが家は父親が殆んど家にいないという環境であったからこそ、母親である私が子どもの話をたくさん聞いてあげなければいけなかったのだと今でも反省の気持ちでいっぱいです。
話を肯定的に聞くということは、結果的に子どもの人格形成、そして親子の信頼関係を築く上で最も重要なことなのです。
反対に、子どもが話しかけてきた時や頑張った成果を見てほしい時などに親が無関心な態度を取り続けてしまうと「どうせ何を言っても聞いてくれないし見てくれない」と子どもは話すことを諦めるようになり、これを学習性無力感と言います。
努力を重ねても望む結果が得られない経験・状況が続いた結果、何をしても無意味だと思うようになり、不快な状態を脱する努力を行わなくなること。米国の心理学者マーティン セリグマンが1967年に発表した心理学理論。
このように、親が子どもの話を聞かずに無関心な状態から学習性無力感になってしまうと、人との関係を持つことに意欲を無くしてしまいます。密接な対人関係が築けなくなると孤独を感じるようになり、社会からも孤立していく可能性もあります。
親が子どもの話をちゃんと聞いてあげる姿勢は、子どもが大人になって社会に出た時にまで大きな影響を与えてしまうほど重要なことなのです。
子どもは常に親の反応を求めています
子どもの顔を見てちゃんと話を聞く姿勢、話しやすい環境を整えてあげることが良好な親子関係、そして子育てにおいて何よりも重要な信頼関係に繋がっていきます。
普段の生活の中でなかなか子どもの話をゆっくり聞いてあげられない忙しい状況であっても、家事のちょっとした合間やお休みの日など、子どものためにできるだけ時間をつくることを心がけて話を聞いてあげるのが大切です。子どもが小さい頃は、お風呂に入った時でも良いでしょう。
おわりに
親が常に子どもの話を聞く姿勢でいることは、子ども自身が親や先生や友だちの話をちゃんと聞けるようになることに繋がります。
言ってしまえば、「勉強ができる子」よりも「人の話を聞ける子」の方が社会に出た時にとても重要なことなのです。
子どもにとって太陽のような存在のお母さん。そんな大好きなお母さんに子どもはいつだって話を聞いてもらいたいと思っています。改めて、子どもが話しやすい環境づくりが大切と言えるでしょう。
ちょっとでも参考になってもらえたら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
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